LOG IN

カーテンがふわってなるみたいに。

by みさとん

1年生だった私は、人生で初めての挫折を受け止められずにいた。

”なんでこんな大学に来なきゃいけないんだ。”
ふてくされて周りを拒絶し否定ばかりしていた。
”自分は周りとは違う”そんな変なプライドを振りかざさないと立っていられなかった。

本当は分かっていた。
私は特別なんかじゃない、何も持っていない人間だと。
でも、それを認めてしまったら自分が消えて無くなってしまいそうだった。
生きてくために、自分から殻をつくった。


そのくせ、一人になる勇気もない。
周りを気にして精いっぱいの笑顔で笑う。

どうしようもないひねくれ野郎だった。

だからこそ、もがいた。

自分を変えたくて。
犬かきで溺れながら向こうの岸にたどり着こうとした。
苦しかった。そんな自分が嫌いで仕方なかった。キラキラ輝いていない自分が許せなかった。こんな自分を認めたくなくて”助けて”の一言が言えなかった。



もがいては空回りをして、
そんなことを1年間も続けていれば、こんな私でも少しずつ好きなことで自信を持てるようになった。
”もっともっと”貪欲に吸収した。

それが将来に繋がるのかとか何の役に立つのかなんて上手に見通しを立てられる人間じゃないから、目の前のことに一生懸命向き合った。


勝手に一人で殻に閉じ込もり、頑張っている自分。

ふと、周りを見るとそんな自分を恥ずかしく思った。
”わたしはほんとに何もわかってなかったんだ。”そう思った。


だって、
友達はいつも側にいてくれたのだ。



一緒に悩んでくれた。
泣いていたら励ましてくれた。
いつまでもうじうじしている背中を押してくれた。
間違っていたら怒ってくれた。


一人で殻をつくって空回りしているわけがわからん奴に、
どんな時だって”変わらず”接してくれていたのだ。

周りを否定して、周りのせいにして。
違う。おまえだよ。お前が勝手に殻に閉じこもって人生つまらなくしてるんだよ。
そう言って一発殴りたいくらい、
恥ずかしい。
なんてクズ野郎だったんだろう。



授業がだるいだるいと言いながらも
みんなと身体を動かすとすぐに仲良くなれて楽しかった。

ロッカーで着替えながらバカなことやって、”ほんとくだらない”なんて言いながらたくさん笑った。

朝、イヤホンをしながら歩いてる私を叩いては ”おはよー。”って、一緒に学校まで歩いた。

”かいちゃん、ほんとそういうとこあるよね”

”みさと、今日一緒に帰れる?”

”かついー。今度飲みいこー。”

何個あだ名があるんだ!と思うくらい、それぞれ勝手に私を呼んで、イジってはくだらない話をして。

気がついたら、

息するみたいに。当たり前に。
心から笑っていた。

この子達といると心がふっと軽くなる。

柔らかい風が吹いてカーテンがふわってなるみたいに。

失敗したっていいか。できない自分がいてもいいか。かっこ悪い自分でもいいんだ。

いつのまにか、自分を認めてあげられるようになった。
私はそうやって、みんなに救われていたのだ。


今、救われたんじゃない。
”ずっと”、救われていた。
そのことに気づいていなかっただけで。



私はよく笑う。
みんなのおかげで楽しいから。
私はよく泣く。
みんなの前で強がらなくていいから。

カーテンがふわってなるみたいに
居心地がいい。

こんなこと書いてたら、みんなどんな顔するだろう。
一番仲のいいあの二人はどんなことを思うだろう。

学校の帰り道、こんなことをふと思った4年生の春でした。


みさとん
OTHER SNAPS