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卒業式まであと。

by みさとん

数えてみた。
あと何日で学生生活が終わるのか。
334日。

あと、334日後には袴を着て卒業証書をもらっているらしい。


進級したてほやほやの4月上旬から
気が早すぎるけれど、
だらだらと過ごしている時間は少しもない。


”ふと、思った。”

みんなと一緒に授業を受ける。
先生の声がお経にしか聞こえない授業の後にお昼を食べて。さて、そろそろ。
と、歩き出した学校の帰り道

右ポケットに握りしめた携帯からバイブレーションが鳴った。


"みさと〜!!今日学校かい!?"
天真爛漫な笑顔がすぐ浮かぶ。
高校の友達からだった。

"今、地元の駅にいるから、ふと連絡してみた!"

彼女によく似合うにっこりマークの絵文字付きメッセージ。

嬉しかった。"ふとした瞬間に"。
なんて、
わたしが喜ばないはずがない。

そしてその、”ふとした瞬間”を相手に伝えられるところが
相変わらず彼女の良いところだ。

桜の花びらが舞う中、
一人でにやにやしながら歩く怪しい人になっていたけれど
"まぁまぁ、いつものこと。"
ルンルンで駅まで歩いた。

のんきな電車の中で。

東京から埼玉へ向かう、昼間のガラガラの電車。
朝の戦場と比べて、なんて呑気なんだ。

電車が荒川を越えてスカイツリーがどんどん見えなくなると、心の中で呟く。
"あぁ、地元に戻ってきたなぁ"

そんなとき。
友達が私を思い出してくれたように
ふと、あることが頭をよこぎった。


あと、どれくらい
好きなときに好きなように友達と会えるのかな。


今みんなとたくさん思い出をつくらなかったら、私のことだからきっと、いや絶対に

社会人になって後悔する。

荒川を超えて最寄駅に着く頃にはそんな危機感に迫られていた。

どこに行くかより、誰と行くか。

あぁ、やっぱりひとり旅もいいけど
今はなるべく、"友達と旅に出たい"。

一緒に、風を感じて
一緒に、景色に感動して
一緒に、チャレンジして
一緒に、達成感を味わって

"一緒に、一緒に。"

それがどれだけ大事なことだったのかを
過ぎてから、失ってから気づくのは

かっこ悪すぎる。

そのことをよく知っている私は、
卒業までの日にちを数えて、焦ったのだ。


あの子と旅をしたらどんな感じなんだろう。普段しないような深い話しでもし合うのかな。

あの子と旅をしたらどんな感じなんだろう。たぶん、一緒に道に迷って、でもうちらのことだからすぐに笑い飛ばしてそう。

あの子と旅をしたら笑い事じゃないだろ、と冷静につっこまれるかな。


一人で旅をしていると、
自分をたくさん見つけられる。
嫌いな自分も好きな自分も、弱い自分も強い自分も。
そんな自分を全部、引きずって持って行かなきゃいけない
だから旅は面倒くさくて、最高に楽しい。


二人で旅をすると、相手を通して自分を見つけられる。
同じ景色を見ても、同じ時間を過ごしても、全然違うことを感じる君と旅に出たら
どんな感情と出会えるだろう。

それは私の知らない君の横顔かもしれないし、それは私の知らない新しい私かもしれない。

"一緒に旅がしたい”と言ってくれた君へ

早く大人になりたいけど、まだこのままでいたい。苦しいけど楽しくて、泣きたいけど笑っていたい。
そんなぐちゃぐちゃな感情もバッグに詰めて一緒に引きずって、

最高に面倒くさくてワクワクする思い出を、一緒につくりに行こう。



あと、334日。


みさとん
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