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もし、明日世界が終わるとしたらなに食べたい?

by みさとん

家から自転車で5分。


勝手に上がり勝手に冷蔵庫からジュース出したらこたつに足を伸ばしてほっと一息。

ここは私が思う存分甘えられる生まれたときから変わらない、唯一の場所。


たまに恋しくなる、
"おばあちゃん家"


薄暗い台所には、
古びたラジオと埃だらけの時計。
ベトベトの床に使い古した茶碗。

そこを裸足でペタペタと歩くわたしは、
ただの甘えん坊のこどもみたい。ここにいるときだけは、歩くことを覚えたての頃と変わってないかのような気分になる。

でも時は確実に流れて、
わたしの顔つきと伸長だけが
この風景を変えていく。

"あれ、このタンスってこんなに低かったっけ。"中学生くらいからそんなふうに思うこ
とが多くなっていったっけ。


お母さんの携帯の待受画面は、弟だ。

お母さんはいつまでも野球少年な弟の一番のファン。土日はグラウンドでお茶当番や応援。夜ご飯の会話はもっぱら野球チームや試合の話し。


だけど、私にも一番のファンがいる。
それがおばあちゃんだ。

誰よりもわたしを可愛がってくれる。

なんてったって、おばあちゃんの携帯の待受画面はわたしなのだ。

おばあちゃんが握ってくれるおにぎり。
寄ると必ず握ってくれる。正確には、わたしが食べたいとお願いするのだけれど。
「自分で握れるでしょ〜?」なんて重い腰をあげながらもつくってくれるのを知っているから、今日もお願いする。
”そうじゃないんだよ。おばあちゃんのおにぎりが食べたいんだよ。”
恥ずかしいから心の中でこっそり呟く。

ご飯がふわふわで、海苔がパリパリ。

不思議とどのおにぎりも"おばあちゃんのおにぎり"には敵わない。いや、どんな高級料理でも"おばあちゃんのおにぎり"には敵わない。

私はおにぎりを食べておばあちゃんを独り占めしているのだ。おにぎりを食べて小さい頃のように甘えているのだ。


こんなふうに。

もし、明日世界が終わるとしたらなに食べたい?
わたしは迷わず、
"おばあちゃんのおにぎり。"


みさとん
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