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体温と孤独と。

by みさとん

どんな小説が好きかと聞かれたら、
"愛のあるもの。"と真剣に答えてしまいそうでいつも喉のところでつっかえる。


どんなに暗いストーリーでもどんなに読み進めるのが辛い数十ページでも、愛は"人の体温"を感じられるから好きだ。


死が身近に描かれていても、ほんのりと温かい体温に包み込まれたいる小説にどれだけ私の死は救われただろう。


『死』なんて、大袈裟かもしれないけれど単に人が亡くなることだけではないと思う。失恋をしたり、友情が崩れたり、信頼していた人に裏切られたとき、あるいは一人で失敗をして落ち込んでいるとき。ココロは間違いなく血を通わすことを止め呼吸をしなくなる。

自分ではどうしようもない世界から降りかかってくる痛みは、間違いなくココロに死をもたらすのだ。


その死から救うのは何か、私にとってのそれは、間違いなく"愛"だと気づいたのは死に体温がある小説のページを何度も何度もめくり、それが自分だけに贈られている言葉のように錯覚するまで文字を追い続けた後だった。



ああ、この小説好きだな。そう思ったのは孤独を知るきみが教えてくれた小説だからなのか。


あるときの夏、私は孤独を纏ったきみが好きだった。きみの指先からするすると走り出す文字も、気がつくと大事そうに抱きしめる私がいた。


孤独や死にも体温はある。
その体温がとてつもなく好きでこの上なく愛している。私は人の体温に、いつも救われているのだ。



暗闇でも幸せは見つけることはできる。
光を灯すことを、忘れなければ。

みさとん
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