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わたしが、ここにいる理由。

by みさとん

まるで、時間が詰まった缶詰みたい。


篭った熱にわっと花咲くような笑い声が自分に向けられる。時間なんて止まってしまったのかと錯覚するほどに楽しいから、きっとカウンターの中にいるときの自分も悪くない。


"ありがとうございました"を言うのと同時にドアノブからお店の外に出ると身体全体で冷たい空気の中に飛び込んだ。


冷気が月を綺麗にする。オレンジの電車がわたしの横を見向きもせずに通り過ぎる。


ああ、きっとわたしの考えてることってちっぽけだ。きっと、電車の中の人も寂しさを抱えきれなくなった人も何もかもを忘れたように笑う人も、きっと同じようなことを考えていてどれもきっと同じようにちっぽけだ。


どこかへ寄り道したい夜。
走り出したいとさえ思う。


遠く、わたしの声が届かないところへ。きっと、そこからも君にはなにも届けられないのかもしれないけどそんなことでさえ冷たい空気が救ってくれた。



毛布を頭から被り、閉じこもっていた。世界がつまらないんじゃない。自分がつまらないんだ。


"本当のわたしは・・・?"


目をつぶって身体の揺れるのをつり革に掴まりながら眼を覚ますように問う。


目の色が変わるとき、世界の色も変わる。

本気で、ああ、わたしはまた本気で変わりたいんだ。


泣きたくなるほどに会いたいと思う。手のひらからするすると抜けていってしまった人。会いたいと思っても、もう会えない人の声がわたしのココロに響くから。


大丈夫、できてるよ。


そう信じてくれていることをわたしは知っている。夜の電車。ネオンは窓を跳ね返しわたしを写しながらも移り変わる。


愛されるために笑うのはやめよう。
愛したいから笑うんだ。


自転車を漕ぎながら流れてくる音楽は気を抜くとふっと泣きたくなるくらいに、綺麗だった。


みさとん
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