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こんなにも青空が似合う校舎で。

by みさとん

時間なんて、止まっていなかった。

なのに、足を踏み入れた瞬間周りの空気が私の身体にぴったり馴染むのは、校舎があまりにいつも通りだったからだろうか。

そういえば、私は夕方の静かな放課後が大好きだった。吹奏楽の音だけ聴こえる、あの静かな風が心地いい。


全部を知っていて、でも何も知らなかったあの頃。


この景色を見ていた当時の自分が、
全部に一生懸命だったから今の私の瞳にも全部が綺麗で全部が大切に、見えるのかな。



駆け抜けた全部が、大好きだった。



はしゃぎすぎて授業が始まると爆睡していた昼休みも。意味もなく窓の外を見ていた授業中も。グラウンドが遠く感じた掃除の時間も。

一瞬一瞬が、大事な
"わたしが、わたしらしくなるためのカケラ"
だったのかもしれない。


目をそらすことを知らない私たちは、
意味もなく笑っては、意味もなく切なかったね。

汗だくの体操着で自販機の前に座っては炭酸を飲んで全部が吹き飛べばいいのにって、気の済むまで話したっけ。


全部が楽しくてチャイムと同時に学食に走った日もあれば、全部を投げ出したくてチャイムが鳴ってもグラウンドに行けない日もあったね。


何度書いても覚えられない英単語も、一回見ただけで覚えられてしまう先生のモノマネも、手が痛くなるまで書いて、ほっぺが痛くなるまで笑ったよね。


今思えば、ちっぽけなことに負けないために踏ん張って生きていた。誰かの前で涙を流すことも、一緒に笑うことも、本音で話すことや思いやりを、持つことも全部。


"自分の生きる姿勢"を、集めていたのかもしれない。


痛いくらいに、全力でぶつかっていた。


月が出るまで1人で勉強した教室。
それを見守っていてくれる温かい瞳が生きる勇気になったこと。
何かを成し遂げるために死ぬ気で努力する自分の本気を知ったこと。


いつもボールを追いかけていたグラウンド。
本当は、なにを追っていたんだろう。
仲間かな。理想かな。自信かな。
わたしは何に泣き、何に笑っていたんだろう。
もっと「10」に、胸を張れと、喝を入れてほしかったのかもしれない。


肩の力の抜き方を、知らなかったあの頃は
ただただ、溺れそうで苦しい苦しいと言うばかり。でも、この時期をまっすぐに生きたことは間違いなく、誰かを"苦しい"から救う力がついた。

誰かの為に、何かができること。

"あれは無駄ではなかった"とはそういうことなんだ。


本当は毎日、”ありがとう”を
ちゃんと伝えたかったんだ。



いつもどんなときも、一人じゃなかった。
きみが隣にいてくれたから、私はこの場所が大好きだったよ。


だから、隠さずに泣けたんだ。

だって、涙を流した後にはきみが必ず笑わせてくれることを、わたしはこっそり知っていたから。


恥ずかしくて言えなかった
"ありがとう"も。

また明日も会えると思って言えなかった
"ありがとう"も。


夢を叶えたら、伝えに行くよ。


これからも”いつもありがとう”を伝え続けられる人でいたいな。



きみと一緒に見ていた世界は。


教室の中から見ていた世界は、どんなに狭かったんだろうと思う。

でも、こんなに狭い教室だから、わたしの笑い声も、泣いた顔も、悩んだ葛藤も、全部。

儚いくらいに、輝いていたんだろうと思う。


きみに"好き"と伝えた青空の廊下も、
きみと"夢"を語った机と椅子も、
きみと”泣いた”あのグラウンドも、


今では私の一部となって、教室の外の広い世界で誰かを”笑顔”にしているよ。


わたしの全力な後ろ姿は、

きみの瞳にどんなふうに映っていたのかな。どんなことを感じていたんだろう。

いつか、聴いてみたいな。


どんな高校生活だったの?と誰かに聞かれたら私はきっと、こう答える。


夢が叶ったら
一目散に会いたいと思える人たちに、
出会えた3年間でした。


みんなに出会えたこと。
みんなと本気で生きた時間。

わたしはこの場所が、大好きだ。


みさとん
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