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夜が苦手。月の灯。

by みさとん

色鉛筆で夜空を描くときは、いつも青色の線を引いていた。紙の上を連続で行き来する無数の線は、次第に"わたしの中の夜空"として広がっていく。


でもある日、夜空を見上げて父親に思わず言った一言を、今でも覚えている。


青じゃない。真っ黒じゃん。
黒...怖い。


わたしの中の"夜空"は、たちまち真っ黒に塗りつぶされる。



やたら怖がりだった、幼い頃から。

お化け屋敷なんて人生で一度も入ったことがない。


テレビのホラー番組を人生で初めて見たその日から約3ヶ月間、一人で寝ることができなくなった。トイレもお風呂もビクビクしながら行っていたし、自分の部屋でさえカーテンを閉めた後の暗い部屋は息を殺して慎重に電気をつけたほどだ。もう、夜が来るたび泣いていた。


そんな私に「何グズグズしてるの!」と怒鳴る母親が一番怖くてまた泣く。

「そんなの怖くない大丈夫だよ。」と済ませられてしまう虚しさにまた泣く。


だから、苦手だった。


それは、今も、同じらしい。


夜になると、どうしても悪いことばかり考える。夜になると、起こりもしないことを考えて落ち込む。

ベットの上。涙が横に流れ、ほっぺに伝う感触の後には、枕がうっすら濡れる。
止まらなくなると鼻が詰まる。もう、ティッシュとゴミ箱の行ったり来たり。


旗から見たら馬鹿らしいくらいに、自分の心をナイフでえぐる。血を出し続けては喉を詰まらす。

これって、わたしだけなのかな。人に話すと、やっぱり理解されないのかな。


やっぱり、夜が苦手だ。


ふと見た、友達からのメッセージ。
うれしい言葉がたくさん込められていた。


その瞬間、月が顔を出す。

黒い空が、一瞬真っ白になる。


空が黒い夜でも、わたしを必要としてくれる人の言葉は、月となり、ココロに明かりを灯してくれるのだ。

たとえ"怖い"という感情がすぐ隣にいても月の灯で笑顔になれる。



"人は、必要とされないと生きていけない"


何年も前のドラマで響いた言葉の意味が、最近よくわかるようになってきた。


夜は苦手だ。

でも、月となってわたしのココロに灯を灯してくれる人がいるから。

今夜も、生き延びられる。


いつか、"怖い"の隣に寄り添ってくれる人が、できたらいいな。


みさとん
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