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『抱きしめたいもの離したいこと』1カ国目【ドイツ】

by みさとん

東京は雨だった。飛行機を乗り継ぐ。再びたどり着いたこの地、ドイツ。ここは切っても切れない縁になりそうだなと長い快速電車に乗りながら思う。緑が続く、大きな一軒家と牛の放牧を眺めながら、また雨だ。初めてきた時と同じ、雨。

憧れの地、ノイシュヴァンシュタイン城に向かう途中の長い列車。

3つある席に並んで座る。一緒に旅をする横にいる2人は、同い年だ。大学を休学して海外生活を送る経験を選択した2人。言葉や知識は、やっぱり必要で、わたしの旅とは大違いの2人の落ち着きように妙にわたしも落ち着いているからその感触に落ち着かない。

バックパックを背負って、旅仲間と合流をして、


ここに、何しにきたの?


一文字も日本語なんて存在しない国に一文字も日本語が聞こえない国に、どうして私はいつも戻りたがるのだろうか。


崖の先にそびえ立つお城の凛とした表情や雲がかかった幻想的な佇まいは、他にはないここでしか見られないもの。

まるでおとぎ話の世界なんじゃないかといつも思うパステルカラーを並べた家と家。見上げて歩くと可愛いが口をつく。だからドイツが好きなんだと口角が上がるメルヘンな街並み。

置いて行かれそうになる気持ちに、負けてしまうにはもったいない、景色と空気が私を包み込んだ。



不器用なこと。抜けていること。英語が話せないこと。海外に慣れていないこと。

自分に持っていないものばかりを突きつけられる異国の地での旅では、どうしたらより良く乗り越えられるのかを考え行動し続ける癖ができる。


そうまでしたいと、

わたしを世界に引き込んだもの。

街を彩るドラムの響き。
ビールと笑顔。
人と街に、色がつく。
日本と同じ青い蒼い碧い空。
日本と同じ凛とした月。
幸せそうな、人の、笑顔。

何もかもが一緒なのに何もかもが違う街。全てが違うものは一つ。この景色に自分の足で辿り着いたからこそ味わえる、生きている感触だった。


私は、再び何をしに、ここへ来たのか。

もどかしさや葛藤。自分が何が好きで何が嫌いか。そしてこれから何を大切にいきたいのか。


神聖な教会で思ったことは、みんなの幸せだった。光が物語を映すステンドグラス。大きな彫刻はただ心に重く静かに魂を落としていた。わたしの目に浮かぶのは、ただいまを待っている大切な人たち。

会いたい人には会いに行こう。
伝えたいことを、わたしのままに。

そのままでいいこと。変わることを受け入れること。世界はこんなにも広いこと。地球の裏側の出来事。みんなが幸せでありますように。そんな願いを祈らせてくれる街。


無いものばかりで自身と自信ををなくさないで。わたしが持っているものはたくさんあった。



大切な人を大切にすること。

それがわたしの、生きている理由。

抱きしめたいものと
離したいことを
整理整頓するために。

それがわたしの、旅を選ぶ理由。


待っていて欲しい。まだ旅は続く


みさとん
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