LOG IN

2カ国目《モロッコ》『自ら笑いかけること。』

by みさとん

バスから降りる。


焼けるような日差しと、お腹の底から蒸されるような空気に全身が包まれた。土に座る、いくつもの鋭い視線。


日本の整備されたルールなんてここにはない、車と人とバイクが無造作に行き交う道路に戸惑いながらさらに進む。

市場に着けば人に揉まれ、ごちゃまぜな言葉と文化に漠然と怯えながら立ち尽くすことしかできなかった。


とんでもないところに来てしまったな。


浴びたことのない灼熱の日差しの中、大きな荷物がより一層重く感じるのはきっと不安がのしかかったから。この国で、笑顔は見られるのだろうか。

暑さとハエが飛び交う中、すれ違う人々の目つきに視線をそらした。

自から、笑いかけること。


モロッコ、マラケシュのフナ広場。
たくさんの店が連ね迷路のようにどこまでも続くこの場所で、お財布とカメラをぶら下げて歩く。薄暗い迷路に木漏れ日が綺麗に雑貨を照らした。

途端、


「ジャパニーズ?コンニチハ!」
「アリガトウ!」

ふとかけられた言葉に驚きながらも、にこっと見せる白い歯に私の口角は自然と上がる。

その後も、3歩も歩けば笑顔の日本語が投げかけられる。ひしめき合うように店を連ねるこの迷路は、可愛い雑貨と「モロッコへようこそ。来てくれてありがとう。」そんな人懐っこさに溢れる空間だった。


何か買ってってと言われても全部を変えるわけじゃない。断った後も、これでもかと値切った後も、必ず最後は笑顔でさよならをするこの国の人たちに

感謝を伝えるとは何なのか、おもてなしとは何かをたくさん教わった気がした。


自ら笑いかけること。それは、相手も自分もハッピーになる大事なコミュニケーション。心の結び目を緩めたてくれるその笑顔に私はすっかりこの国の虜になっていた。


道路を歩けばバイクからニコッと笑ってウエルカム。日本では見られない光景に、日本ではありえない灼熱の道路をヒーヒー言いながら歩くのが楽しかった。


やっぱり、

世界の共通言語は
英語じゃなくて笑顔だと思う。


手で食べる屋台の肉とジュースにハエがたかること。トイレットペーパーは流さずゴミ箱に捨てること。この屋台で働き育ちこれが故郷の味になる子供達とお金を頂戴と幼い瞳で見つめる物乞いの子供。


何もかもがぐちゃぐちゃなこの国で、わたしのココロがハダシになっていく。


心の結び目を緩めたら、待っていた。
初日のモロッコ。


みさとん
OTHER SNAPS