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時を超えるもの

by みさとん

小学生の頃、よく真っ暗な部屋で二段ベットに寝転びながら考えた。


"どうして、わたしはわたしなんだろう。"


考えては怖くなってすぐに瞼をぎゅっとつぶるけど、地球があることも自分が生きていることも考えれば考えるほど不思議でそれが怖かったのを覚えている。


当たり前だけど、わたしはお父さんとお母さんから生まれてきた。自分が真剣に恋をするようになってきてようやくわかってしたこと。恋愛とか、結婚とか、その後の生活とか、もう全部奇跡って思えるほどロマンチックで時には目を塞ぎたくなるほどの現実なんだ。


当たり前だけど、お母さんにもお父さんとお母さんがいて、お父さんにも同じように両親がいて、おばあちゃんにも、おじいちゃんにも両親がいたわけで、二人が出会った先の物語に、今、わたしが生きている。


それが嬉しいことなんだと、幸せなことなんだとココロで感じられたのは、おばあちゃんの田舎へ家族で訪れたからだ。


車で3時間ほど走らせ着いたのは福島県の喜多方。この場所で祖母は生まれ育ち母は帰省のたびにこの土地で目一杯遊んだのだそう。

私はこの土地に懐かしさや田舎の香りを感じることはできないけれど、小さい頃から食べている喜多方ラーメンをこの場所で食べたり祖母の住んでいた家へ行ってみたり、そんな時を超えた思い出の一枚一枚が私の身体に流れていると思うとほんのり温かかった。


祖母は、この会津磐梯山を見ながら育ったんだ。母は、帰省のたびにこの空気を吸って走り回ってたんだ。


ここへ来るとほっとするよ。


そう呟く祖母を見て、あぁ来てよかったなと純粋に思った。

ひいじいちゃんと、ひいばあちゃんのお墓に手を合わせる私を見て祖母が喜んでいたのと同じくらい私も来れて良かったと思った。


ひいばあちゃんの名前は、"スミレ"さんというのだそう。とても可愛くて素敵な名前。どんな人だったんだろう。

祖母の名前には、"征"という字が入っている。祖母が生まれた年にひいじいちゃんが戦争に招集されたことから"戦争に征く"この字を当てたらしい。祖母はそのことをどう思っているのだろう。


生きていくって大変だ。
当時は戦争もあって、悲しいことや辛いこともたくさんあって、それでもと前を向いて生き抜いた人たちの想いや気持ちも私の中に流れているようだった。

わたしはどんな物語を受け継いでいこうか。わたしはどんな人と出会いどんなロマンチックと現実の間を生きていくんだろうか。


会津磐梯山が見えるこの街は、私も帰ってきていい場所なんだ。


みさとん
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