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上手く書けない手紙と夜更かしの夜。

by みさとん

「言葉」が好き。

その感情の中の一つ。

”伝える”ことが好きということ。


伝わった経験も伝わらなかった経験も、”伝える”ことに夢中になっていた時期があった。

それは何気ない挨拶から始まり、日頃の感謝を過ぎゆく中で好きですと言う告白だったかもしれないし、嫌われたくないという裂けるような鼓動だったかもしれない。


言葉をどうしても愛してしまうのは、自分の弱さとの永遠のお付き合いだからなのかもと思い出に目を細めた。


「言葉」が好き。の、もう一つ。

”言葉が奏でる響き”が、
綺麗と感じること。


文章を書くようになってから、日本語って綺麗だなと思うことが多くなった。

声にして文字を音にすると、人によって言葉の使い方が異なるから同じ言葉を使っても受ける印象が全然違ってしまう。すると、言葉本来の持っている個性みたいなものが見えなくなってしまうのだ。

雲で隠れる月のようにそこに、そこにあるはずのものが隠されてしまう。


けれど、ただ白い紙に落とされただけの無垢な「言葉」にはどうしようもなく惹きつけられる。その言葉を前にすると、透明な柔らかいものに包まれるような言葉の響き合う音色がどうしようもなく聴きたくなってしまうのだ。


そう、今だってその綺麗さにうっとりしながら、またその鋭さに斬りつけられながら文章を書いている。


これはきっと、感情ではなく本能に近い何か。書くことは苦しくもあり心を満たしてくれる何か。


私の力では到底追いつかない、
奏でたい音色たち。

そんなことは分かっているはずなのに、「伝えたい」と思ってしまう。奏でた音色をそっとプレゼントしたいと思ってしまう。寝る前に静かに温かい飲み物を飲むような身体に優しい体温。それがわたしにとっての”手紙を書く”ということなのかもしれない。


そう意気込んでは相手に響く言葉を綴ろうと真剣に便箋と向き合うのだけれど、書き終え自分の名前にペンを置き最初から読み返してみると自分でも恥ずかしくなるくらいの音の外し方で、わたしのそのままを、まるで裸になったかのような恥ずかしさはそのひとへの一番の尊敬と感謝と告白のように思った。


誰かに好かれるために言葉を
綴っているの?
私が世界に染まるんじゃない、
私が世界を染めていくんだ。

書くことは生きること。なんて言えるようになるまで書き続けられたらいいな。


みさとん
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