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虹を描く、架く。

by みさとん

また、雪が降った。大粒で乱暴にちぎった綿菓子みたいなそれは、次から次へと濡れた地面へと消えていく。目で追っては消える雪。

そんな雪でさえ特別に感じないほどに私たちは目の前のことでいっぱいっぱいだった。

初めて出会う、18人。

今まで、バラバラな人生を歩んできた18人の”就職活動”で選んだ道が重なったとき、どんな化学反応が起こるのだろうと少しのドキドキはわたしのココロを震わせていたはずなのに”最初から上手くいくはずがない”現実に厚い雲がココロを覆った。

頼りにしている、という甘え。

”どうして、そんな発言するんだろう”

”どうして、そんなことするんだろう”

”どうして、こんなにも意思疎通ができないんだろう”


18人いれば18通りの考えがあって、それは一向にひとつの形にならなくて。それぞれのモヤモヤだけが頭の上に広がるばかり。


”幻滅”するのは相手を過度に頼っているからだ。きっとあの人なら何とかしてくれる!なんて無責任な期待は本人に伝えることもしないくせに知らぬ間に裏切られた気持ちでココロがずぶ濡れになった。


本当に、他人だけがいけないのだろうか。わたしは完璧なのだろうか。
想いを言葉にしないわたしは、勝手に悲劇のヒロインになっているだけなんじゃないだろうか。

ずぶ濡れにさせられたんじゃない、自分でココロを濡らしていた。


相手に目をそらしているようで、本当は"言葉にして伝えることを怖がる"自分から目をそらしたかっただけなのかもしれない。


「嫌なことは、嫌と伝える」

「間違っていることは、違うと伝える」

「自分はこんなことを考えていると伝える」


わたしは、最初から”伝える”ことを諦めていた。どうせ降っても地面に当たれば溶けてしまう雪ならばいっそ、降らない方が、と。

それでもふわりふわりと空を旅して降り続けた雪は何センチにも何十センチにも積もるのだ。

他人を頼りにする前に、誰かが何とかしてくれると思う前に、「わたしの想いを相手のココロに、そっと届ける」ことをしよう。

それも、ココロの真ん中めがけてまっすぐに。相手に届けとばかりのキャッチボールを。

きっとわたしたちは、自分の考えることを無意識に相手と比べながら投げていた。空中に放たれた言葉たちは相手に届けと願いが足りず、

敵意むき出しのドッチボールかのように本気で投げたボールはそれぞれに当たり当てあっていた。

ボールを当てられ人はどんどん外野に離れていく。残った内野は永遠とボールを当てあっている。そんなことがしたかったのだろうか。わたしたちは何のために言葉を遣っているの?

相手の胸へ、鋭いボールを投げること。受ける相手はグローブを開いて受け止めること。

この繰り返しの中でしかパスは繋がらない、この繰り返しの中でしか言葉は相手のココロに届かない。

”ひとつ”になんて、ならなくていい。
"丸く"、なんて収まらなくていい。
いつか、それぞれの色が合わさって太い太い18本の虹が本当に架かったらいいなと思う。

きみは、世界を何色に染めていくんだろう。

桜が咲く頃を想う、雪の季節に。


みさとん
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