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空が呼吸をするように

by みさとん

瞬く間に身体が浮いたと思えば3秒後には車が豆粒くらいの大きさになっていた。真っ青な空に羊のような雲が散りばめられそれぞれが肩を寄せ合って風と共にどこまでも漂っている。

やがて空の彼方には薄い虹色の層ができ世界を柔らかい一瞬の優しさで包んだ。
そんな夕暮れの後にはあっという間に夜が訪れ真っ暗な空に-68℃と表示が表れる。

空はひとつひとつゆっくり表情を変えながら太平洋を超え、時間を巻き戻しながらずんずんと移動していることを教えてくれていた。やがて藍色の空、ピンク色の地平線に地球の丸みに沿った朝の知らせがやって来る。



こんなにも
地球が生きていることを
感じられる時間。
まるで空が呼吸をしてるみたいだ。



もう朝だというのに全く寝れずに来てしまった。どうしてこんなにも長い時間狭い椅子に座り体調をやや崩しながら旅をしているのだろう。

飛行機は片道だけで3回乗り換える。そのたびに入国審査をして荷物を検査する。荷物を受け取りまた飛行機に乗る。標高4000メートルを優に超える空港に着けば夜行バスで10時間揺られ念願の地に足を踏み入れる。予定だ。


「変わっている」と言われる理由も、なぜこの地がみんなが行きたくても行けない地なのかもわかった気がした。


私はこの先、旅を続けていきたい。それも生活の中心となるほどに。それなのにこんなにも今、旅が面倒くさいと感じる。もう帰りたい。でも行かないと絶対に後悔をする。そんなシーソーを繰り返す面倒くさい自分。


そんな場面はこれからいくつも訪れるのだろうと思った。実家を出るとき。転職をするとき。結婚をするとき。


今まで出会った人の顔をゆっくり思い出す。これからの自分をゆっくり感じる。


こんにちは。とも、久しぶり。とも、言えないこの感情。自立って、寂しさと好奇心のサンドウィッチらしい。


空に寄り添うように足を抱えて窓を眺めた。空と一緒に自分の未来も、愛でていたい。


まだまだ着かない飛行機の中で。


みさとん
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