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孤独が教えてくれた幸せ。

by みさとん

汗を吸いとったインナーが背中にペタペタとくっついては離れる。ビーチサンダルが軽やかに足を運ぶ夏の夕暮れ。流れずに漂い続ける生温い風はこの街をすっぽり覆ってしまっているようだ。

平成最後の、夏らしい

だんだんと夏にのみ込まれていく感覚をすっ飛ばし、もうすでに夏のど真ん中に立っていた。


誰かと一緒にいるほどに孤独を感じるようになったことはわたしにとっては成長だ。ついこの間まで、人のことをわかったように生きていた。自分と他人はあたかも同じ景色を見て同じ気持ちになってくれるという錯覚にしがみついていたのだ。

頭ではわかっていても、どうしても他人に期待をしてしまうし他人に自分の気持ちを押し付けてしまうのは自分と他人に境界線を引けていなかったから。

それ故に、他人の感情に敏感で他人の表情に怯えるように呼吸をした。笑顔の下にひっそりと見つめる寂しさや虚無感に蓋をして笑顔をつくった。


私は、根っから寂しがりやで、根っから人が好きなのだろう。愛嬌や人懐っこさは一線を越えれば依存になる。人はどこまでいっても一人だ。一人で生まれ、一人で死んでいく。誰かと一心同体なんて、無い。

自分の人生は誰も代わってはくれないし、世界中どこを探しても自分はたった一人なのだ。


たった一人


その意味を、最近やっと肌で感じられるようになってきた。

分かり合えなくていいのだ、他人と。相手から自分が欲しい感情や言葉だけを貰えなくていい。そしてそれに寂しさや切なさや、やるせなさを感じて、いいのだ。ときに孤独を感じてもいい。

なぜって、「自分」と「他人」は違うから。

その現実に、寂しさで膝を抱えて眠る夜があるかもしれない。傷つき涙を流し深く落ち込んだりもするだろう。でも、だからこそ、相手が見せてくれる表情や言葉や仕草やその端々に感動したり嬉しくなるのだ。

自分と相手は違うから、理解できないし、し合えない。でもだからこそ、知りたいと思う。話をしたいと思う。自分を知って欲しいと思うし、伝えたいと思う。それはとても時間のかかることで労力も使う。自分と違う他人と向き合うってとても大変なこと。それなのに、そうまでしても一緒にいたいと思う人がいる。そこにあるのは、もう愛だと思うのだ。

人は、人と違うから愛が生まれる。
違うからこそ、唯一無二の自分に気づける。

寂しくていい。孤独でいい。分かり合えなくていい。でも分かりあおうとすることはできる。それが愛を交換することだと思うのだ。



きみからの愛に気づけたこと

それは孤独が教えたくれた、幸せなのだ。


みさとん
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